2023.06.30
cotonari通信 Vol.2(2023.06)
■cotonari6周年でした
こんにちは。cotonari代表理事の佐藤槙子です。cotonari内の事業所・cocoroneを2017年に今の場所でオープンしてから、5月で6年が経ちました。約3年半前には、ni-cori、abericoもオープンでき、この6年で多くのお子さん・ご家族にご利用いただけました。まだまだ道半ばで、これから形にしていきたいことも多いのですが、今日のブログでは、cotonariを立ち上げた想いを振り返っていきたいと思います。
<補足~各事業のひと言説明>
cocorone(ココロネ)…発達の遅れや障がいのあるお子さんの療育をしています。
ni-cori(ニコリ)…豊かな子育てを応援する、講座やイベントを実施しています。
aberico(アベリコ)…子どもの力を引きだす、オーダーメイドの託児事業を実施しています。
■「発達のモヤモヤ」をちょっと相談できる場に
cotonariを立ち上げた時、私は子育て真っ最中で3歳の息子と0歳の娘がいました。それまで名古屋のNPO法人で働いていましたが、結婚を機に知立で暮らすようになり「自分の住んでいる地域に何か貢献したい」「災害があった時でも、すぐに子どもを迎えに行けるような働き方がしたい」という想いが強くなっていました。培ってきた経験を生かして、外国にルーツをもつ子を含めた発達障がい児の療育を行う「cocorone」を中心に、一般社団法人cotonariを作ったのですが、当初からni-coriやabericoのような場も併設したいという想いをもっていました。自分自身が子育てをしながら、いろいろと感じることがあったためです。
赤ちゃんが生まれてお母さんになると、初めての子育てが始まります。初めてのことなのに全責任が自分にある―そんな状況に不安になりながらも、頑張っていくわけです。私の場合、2人のこどもがそれぞれ乳児検診で引っかかったことがあり、しばらくモヤモヤした気持ちで過ごしていました。
その時思ったのが「病院でも市の機関でもなく、もっと気軽に相談できるカフェのような場所があったらいいのに」ということでした。お互いに分からない同士のママ友でもなく、行くのにかなり勇気を要する専門機関でもなく、専門性の高い人がいるけど、気取らず相談に乗ってくれるような場所があったら…。「この先どうなるんだろう」「今、子どもにしてあげられることは何かな」、そんな話をして、家族だけで抱えているモヤモヤを薄められたらいいなと思いました。
もう1つ考えたのが「丸1日は必要ないけど、誰かが自分の子を少しの間見てくれるような場が欲しい」ということ。NPOの職員だった時、子どもが保育園に行く年齢になるまで、私はよく子連れ出勤をしていました。「自分で子どもの世話をしながら仕事もしたい」という想いを叶えてもらえ、ありがたい環境だったのですが、子どもを自分で見ながらだと、仕事の能率は恐ろしく悪くなりました。今まで10分で出来たことが、平気で2~3時間かかってしまう。ちょっと必要な時だけ、誰かが見てくれていたら…、そう思う日々でした。
今、地域の親御さんたちがcotonariを知ってくださるきっかけとしては、ni-coriでのイベントやabericoでの託児が多いのですが、それをきっかけにちょっとした相談をいただいたりすることもあります。cotonariには、体の発達の専門家である理学療法士がいますので、子どもの発達を促す遊びを学ぶ講座を開催したりするなど、親子で楽しく参加しながら気軽に専門家に相談できる機会を設けています。
■外国にルーツがある発達障がいの子とその家族を支えられるように
もうひとつ、cotonariとして力を入れたいとこだわってきたのが、外国にルーツがある発達障がい児の力になることです。療育を担当するcocoroneでは、開所した時からずっと、外国籍のお子さんの受け入れも行っています。
私の人生が発達障がい児支援に向かうことになったきっかけは、多文化共生をテーマにした団体の支援をするNPOで働いていた時に「どれだけ学習支援をしても、なかなか定着しない子がいる」という声をよく聞いたことです。今から10年以上前で、発達障害というワードが世の中で少しずつ聞こえるようになってきた頃でした。
発達障がいについて学んでいくほどに、この地域の外国ルーツの子にまで手が届いていないことがよく分かりました。それなら、自分で支援組織を作ろう! そんな想いでcotonariの構想を始めたのです。
外国にルーツがある発達障がい児の支援でつまづきやすいのはやはり、言葉の面です。子ども自身に対してもそうですが、親御さんが日本語に不自由だと、連携を取って適切に支援することの難易度が上がります。cocoroneでは積極的に外国にルーツのある方の採用も行っていて、外国語が話せるスタッフもいます。もちろんスタッフ全員が外国語に堪能なわけではないですが、アプリを活用したり、ボディランゲージを交えたりして、コミュニケーションの充実に努めています。今、支援している外国にルーツのある子は10人以上。子どもたちはもちろん、親御さんにも言いたいことを伝えていただけるよう、心がけて対応をしています。
*****
このような想いと特徴をもちながら、cotonariは地域の皆さんの力になっていけたらと考えています。「地域にお友達がほしいな」「子どもをちょっと見ていてほしいな」と思ったら、ぜひni-coriやabericoに遊びに来てください。「子どもの発達が気になるな」と思ったら、お気軽にcocoroneにお電話ください。cotonariの様々な事業を通じて、子どもたちや親御さんの笑顔が増えれば私たちも嬉しいです。また、外国にルーツのある方が周りでお困りだったら、cotonariの存在をお伝えいただけるとありがたいです。
こんにちは。cotonari代表理事の佐藤槙子です。cotonari内の事業所・cocoroneを2017年に今の場所でオープンしてから、5月で6年が経ちました。約3年半前には、ni-cori、abericoもオープンでき、この6年で多くのお子さん・ご家族にご利用いただけました。まだまだ道半ばで、これから形にしていきたいことも多いのですが、今日のブログでは、cotonariを立ち上げた想いを振り返っていきたいと思います。
<補足~各事業のひと言説明>
cocorone(ココロネ)…発達の遅れや障がいのあるお子さんの療育をしています。
ni-cori(ニコリ)…豊かな子育てを応援する、講座やイベントを実施しています。
aberico(アベリコ)…子どもの力を引きだす、オーダーメイドの託児事業を実施しています。
■「発達のモヤモヤ」をちょっと相談できる場に
cotonariを立ち上げた時、私は子育て真っ最中で3歳の息子と0歳の娘がいました。それまで名古屋のNPO法人で働いていましたが、結婚を機に知立で暮らすようになり「自分の住んでいる地域に何か貢献したい」「災害があった時でも、すぐに子どもを迎えに行けるような働き方がしたい」という想いが強くなっていました。培ってきた経験を生かして、外国にルーツをもつ子を含めた発達障がい児の療育を行う「cocorone」を中心に、一般社団法人cotonariを作ったのですが、当初からni-coriやabericoのような場も併設したいという想いをもっていました。自分自身が子育てをしながら、いろいろと感じることがあったためです。
赤ちゃんが生まれてお母さんになると、初めての子育てが始まります。初めてのことなのに全責任が自分にある―そんな状況に不安になりながらも、頑張っていくわけです。私の場合、2人のこどもがそれぞれ乳児検診で引っかかったことがあり、しばらくモヤモヤした気持ちで過ごしていました。
その時思ったのが「病院でも市の機関でもなく、もっと気軽に相談できるカフェのような場所があったらいいのに」ということでした。お互いに分からない同士のママ友でもなく、行くのにかなり勇気を要する専門機関でもなく、専門性の高い人がいるけど、気取らず相談に乗ってくれるような場所があったら…。「この先どうなるんだろう」「今、子どもにしてあげられることは何かな」、そんな話をして、家族だけで抱えているモヤモヤを薄められたらいいなと思いました。
もう1つ考えたのが「丸1日は必要ないけど、誰かが自分の子を少しの間見てくれるような場が欲しい」ということ。NPOの職員だった時、子どもが保育園に行く年齢になるまで、私はよく子連れ出勤をしていました。「自分で子どもの世話をしながら仕事もしたい」という想いを叶えてもらえ、ありがたい環境だったのですが、子どもを自分で見ながらだと、仕事の能率は恐ろしく悪くなりました。今まで10分で出来たことが、平気で2~3時間かかってしまう。ちょっと必要な時だけ、誰かが見てくれていたら…、そう思う日々でした。
今、地域の親御さんたちがcotonariを知ってくださるきっかけとしては、ni-coriでのイベントやabericoでの託児が多いのですが、それをきっかけにちょっとした相談をいただいたりすることもあります。cotonariには、体の発達の専門家である理学療法士がいますので、子どもの発達を促す遊びを学ぶ講座を開催したりするなど、親子で楽しく参加しながら気軽に専門家に相談できる機会を設けています。
■外国にルーツがある発達障がいの子とその家族を支えられるように
もうひとつ、cotonariとして力を入れたいとこだわってきたのが、外国にルーツがある発達障がい児の力になることです。療育を担当するcocoroneでは、開所した時からずっと、外国籍のお子さんの受け入れも行っています。
私の人生が発達障がい児支援に向かうことになったきっかけは、多文化共生をテーマにした団体の支援をするNPOで働いていた時に「どれだけ学習支援をしても、なかなか定着しない子がいる」という声をよく聞いたことです。今から10年以上前で、発達障害というワードが世の中で少しずつ聞こえるようになってきた頃でした。
発達障がいについて学んでいくほどに、この地域の外国ルーツの子にまで手が届いていないことがよく分かりました。それなら、自分で支援組織を作ろう! そんな想いでcotonariの構想を始めたのです。
外国にルーツがある発達障がい児の支援でつまづきやすいのはやはり、言葉の面です。子ども自身に対してもそうですが、親御さんが日本語に不自由だと、連携を取って適切に支援することの難易度が上がります。cocoroneでは積極的に外国にルーツのある方の採用も行っていて、外国語が話せるスタッフもいます。もちろんスタッフ全員が外国語に堪能なわけではないですが、アプリを活用したり、ボディランゲージを交えたりして、コミュニケーションの充実に努めています。今、支援している外国にルーツのある子は10人以上。子どもたちはもちろん、親御さんにも言いたいことを伝えていただけるよう、心がけて対応をしています。
*****
このような想いと特徴をもちながら、cotonariは地域の皆さんの力になっていけたらと考えています。「地域にお友達がほしいな」「子どもをちょっと見ていてほしいな」と思ったら、ぜひni-coriやabericoに遊びに来てください。「子どもの発達が気になるな」と思ったら、お気軽にcocoroneにお電話ください。cotonariの様々な事業を通じて、子どもたちや親御さんの笑顔が増えれば私たちも嬉しいです。また、外国にルーツのある方が周りでお困りだったら、cotonariの存在をお伝えいただけるとありがたいです。