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2023.09.30

cotonari通信 Vol.3(2023.09)

■ 8月1日に新施設【cohaku(こはく)】がオープン

こんにちは!cotonari代表理事の佐藤槙子です。

今年の夏は厳しかったですね。皆さんいかがお過ごしでしたか。cotonariにとっては、大きな一歩を踏み出した夏となりました。
8月1日、cocoroneから徒歩5分ほどのところにある一軒家をお借りし、新施設「cohaku(こはく)」をオープンしたのです。
これまで主に小学生までをメイン対象としていたcocorone。「中学生になっても来られる場が欲しい」という声を多くいただいており、やっとそれに応えられる拠点ができました。
また、cocoroneで行ってきた集団療育では対応しきれなかった、個々の特徴に応じた支援ができるよう、児童発達支援の個別療育部門もここで行っていきます。

「cohaku」という施設名に込めたのは、「宝石の琥珀(こはく)のように、ひとりひとりが自分らしくきらきらと輝いていけるように」という想い。また、私がお菓子の琥珀糖が大好きなのもあります。色とりどりできれいですよね♪

それではそれぞれのメニューの概要や利用の仕方を、紹介していきますね。

 
■「ひとりで暮らせるよ」を目指して、中学生を支援(放課後等デイサービス)

対象:主に小学5年生~高校生(中学生中心)
目的:自分で生活できる力を身に着けていくこと
利用方法:学校が終わってからの放課後をここで過ごし、目的に合わせて成長をはかる

cohakuの一番大きな特徴は、生きていくために必要な力を身につけるための支援に力を入れる、ということです。cohakuは主に、cocoroneを卒業する時期となる中学生に来てもらおうと思っていますが、中学に入ると3年後には高校生、その後は就職、社会人へと人生が続いていきます。

公立中学校内にある特別支援学級に通って、高校で特別支援学校に進学した場合、この辺りの地域では自分で電車やバスに乗って高校まで通うことが多いです。また、社会人になって親元を離れた時には、炊事、洗濯、掃除…それらを自分でしないとならないですよね。

cohakuでは、そのあたりの力を伸ばせるメニューを用意し、経験を積めるようにします。料理をしてみると、食材の切り方、調理の仕方、片付けなどの流れが経験できます。電車に乗ってみると、時間を意識しないといけないことが分かったり、時には電車が遅れるなどのトラブルにも対応できる力が必要であることが学べたりします。子どもたちの段階に合わせて何度も経験を積み、少しでも自活できる力をつけていきたいと思っています。

 
■ 体や言葉、心の発達を0歳から個別で支援できる場(児童発達支援)

対象:0歳~就学前
目的:体や言葉、言葉の発達支援を個別に行う
利用方法:本人と保護者が週1回程度のペースで予約して訪れ、1時間ほどスタッフと体を動かしたり一緒に遊び、家での支援方法を助言。

放課後等デイサービスとは違うお部屋を使って、児童発達支援にも力を入れていきます。cocoroneではこれまで、集団での児童発達支援を行ってきましたが、個別でできるようにすることで、理学療法士を中心に、体の発達を含めてより小さなころからの支援が可能になります。

また、発達に遅れがある場合、言葉がうまく出てこないためにコミュニケーションが取れないことがよくあります。言葉でコミュニケーションを取るのは、実はなかなか難易度の高いことで、それまでにクリアしないといけない段階がいくつもあります。まずは自分の体の感覚が整うこと、声を出すこと、言葉にすること…。言葉が出ないならカードで伝えるなど代替案も考えながら、コミュニケーションを促していきます。

このような、体、言葉、心の発達支援を、cohakuではお子さんの状況に合わせて個別で進めていきます。

 
■cocoroneと連携して、ひとりひとりにマッチした支え方を

8月のオープン後、cohakuの放課後等デイサービスにはさっそくcocoroneから移籍した子たちがやって来ました。普段は放課後だけの利用ですが、夏休みなので朝から夕方まで一緒に過ごします。
新しい施設なので、初めはみんな落ち着かなかったのですが徐々に慣れて、一緒にお昼ご飯を作ったり、お掃除をしたり。夏休みが終わるころには1日のペースもできて「3時45分になったよ、掃除はしなくていいの?」なんて言ってくれる子も出てきました。電車に乗ってお出かけにも行きました。洗濯機はまだ無いので、それを買うのが目下の目標です(笑)。洗濯も、ボタンを押して洗濯機を回して、洗濯が終わったらハンガーにかけて干して、乾いたら取り込んで畳んで…と、実はいっぱい工程があるんですよね。それを1つ1つ実際にやってみることで、できる力をつけていって欲しいなと思っています。

cocoroneではこれまで、「遊びの中で友達との関係を作っていけること」を大切に療育を行ってきています。特に小学校低学年の間は、その力をつけることが必要だと考えています。ですが高学年になり、中学生になっていくと、本人が望む望まないに関わらず、親御さんをはじめ社会からは「自分で出来る」ことを求められることが増えていきます。
自分で生活できる力を少しずつ育てていくこと。これはcocoroneのプログラムの中では、補いきれない部分もあります。cohakuという新しい場を作ったことで、子どもそれぞれの様子を見ながら、段階に応じてcocorone→cohakuへと、つなげていけると良いなと思っています。

cohakuの放課後等デイサービス、児童発達支援のご利用をお考えの際は、お気軽にお問い合わせください。外国ルーツで、外国語でのコミュニケーションが必要なご家庭からの相談も大丈夫です。

実は私は、まだまだ「こんな支援がしたい」「こんな場を作りたい」という想いがたくさんありますが、まずはcohakuが地域の皆さんに寄り添える場として、力になっていけたらなと思っています。cotonariの新メンバーcohakuを、どうぞよろしくお願いします!