2024.01.28
cotonari通信 Vol.5(2024.01)
■地震が起こったら…どう動くか?
みなさん、こんにちは。cotonari代表理事の佐藤槙子です。
2024年もどうぞよろしくお願いいたします。
新しい年は、北陸の地震とともに始まりました。地震の被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。ここ知立は震度4でしたが、それでも随分揺れました。お正月でcotonariもお休みだったので、今回は特別な対応はなかったのですが、実際に揺れを感じ、震災後のニュースなど見ると、いろいろなことが頭をよぎりました。
「今回の地震と同じような時間帯だと、スタッフの半数以上が子どもたちの送迎に出ている時も。その場合はそれぞれ、どう対応すればよいんだろう」
「いったん子どもたちと避難所まで行ったとして、子どもたちを親御さんに引き渡すまでにどのくらいかかるだろう。スタッフにも自分にも、子どもがいる…。目の前の子ども達も我が子も心配…」
療育をしているcocoroneやcohakuでは、普段から月1回防災訓練をしています。「地震が起こったら机の下に入って、避難所まで皆で行く」など、ひと通りはしていますが、実際に揺れはしないし、スタッフもそろっての実施。でも、地震はタイミングをこちらに合わせてくれるわけではありません。
今回、これまでよりもかなり具体的に想定してみて、考えたり決めたりしないといけないことがまだまだたくさんあることに気がつきました。年始のミーティングでさっそくスタッフとも共有。cotonariの組織内には「防災委員会」があるため、今年はそこを中心に、災害への備えと対応をよりしっかりとしたものにしていこうと考えています。
■小さな「安心」を普段から積み重ねておく
子どもたちはお正月明け、4日からcocoroneやcohakuにやって来ました。普段と変わった様子も無く、震災から不安になってしまったり、落ち着かなかったりということもなくてホッとしました。
頭の中ではいろいろなことを考えながらも、1月中旬に今年1度目の防災訓練を実施。地震のことがまだよく分からない子もいますが、防災アラームが鳴ると机の下にもぐるのは、皆しっかり身についています。やはりこの辺りは、学校などでも何度もやっているからこそだと感じました。
障がいをもった子は、災害時も難しいことが多いです。不安が大きいほど、奇声を発してしまったり、自分を叩いてしまったりという行動も増えることがあるので、避難所でほかの人たちと一緒に生活するのも容易ではありません。
そんな子どもたちのために、できることは何だろう? そう考えると大切になってくるのは「普段の暮らし」。その中で小さな「安心」をどれだけ用意しておけるかではないかと思います。先への見通しがもてないと「不安」が大きくなり、パニックにもなりやすい。だから、見通せることを普段から増やしておくのです。
例えば
・非常食を食べてみて、その子の口に合うものを確保しておく
・偏食の子も多いので、大好きなお菓子も非常時用に備えておく
・決まったトイレでしか用を足せない子もいるので、簡易トイレにも慣れさせておく
など。子どもが「これを持っていると安心」となる、おもちゃや身の回り品をちゃんと知っておくことも大事です。
また、地震体験車に乗って揺れるのを感じてみたり、煙体験ハウスに入ってみたりも良いですね。一度でも経験していることが、災害時に不安を減らしてくれるはずです。cocoroneでもこうした施設に出掛けたことはありますが、地域の防災訓練などで体験できることもあります。
■災害時に向けて地域とのつながりを
今回、地震が起きた時を想定してみてこれまで以上に痛感したのは「地域のいろいろな人たちとつながることの大切さ」でした。
例えば子どもの送迎時でスタッフが少ししか残っていないとします。避難が必要となった時に、大人と手をつないで歩ける子ばかりではありません。体が不自由で2人以上の手が要る子もいます。そのタイミングで地震が起こってしまった時に、周りの方に手を差し伸べてもらえたらどれほどありがたいか。
また、cotonariの中で災害時の対応をルール化していこうと考えた時にも、公的機関や周りの企業、組織が災害時にどう動くのかを知っていれば、より適切な対応をルール化していけます。例えば地域には「福祉避難所」という場所がありますが、知立にはどこにあって、どうしたら災害時にスムーズに利用できるのか、いろいろな人と関係をつくりながら知っていくことが必要です。防災についての知識も、専門性の高い人からもっと学びたいと思っています。
私たちの組織や子どもたちの様子も、普段の暮らしの中で触れてもらえる機会が増えると、災害時のお互いの不安も減るのではと思います。ただでさえ不安に覆われがちな避難生活で、その不安を刺激してしまうのでなく、一緒に暖かい輪が作れたら…と願わずにはいられません。
そのためには日々の中で彼らの行動に触れ「こういうのもアリだよね」「きっと何か理由があるんだろうね」と見守っていただけるような関係づくりを、地域の方としていけたら…。このブログやお便り(cotonari便り/地域や学校にお渡ししています)でも、頑張って子どもたちのことを発信していきますね。
******
災害は予測のできない非日常ですが、普段の暮らしの中での心がけや準備、関係づくりが非日常の中に日常を連れてきてくれます。小さい安心を積み重ねて、大きな不安の雲を少しでも払いのけられるよう、今年は活動を進めていきます。もし同じように必要性を感じて、つながりたいと思ってくださる方がいらっしゃいましたら、ぜひお声掛けいただけると嬉しいです!
みなさん、こんにちは。cotonari代表理事の佐藤槙子です。
2024年もどうぞよろしくお願いいたします。
新しい年は、北陸の地震とともに始まりました。地震の被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。ここ知立は震度4でしたが、それでも随分揺れました。お正月でcotonariもお休みだったので、今回は特別な対応はなかったのですが、実際に揺れを感じ、震災後のニュースなど見ると、いろいろなことが頭をよぎりました。
「今回の地震と同じような時間帯だと、スタッフの半数以上が子どもたちの送迎に出ている時も。その場合はそれぞれ、どう対応すればよいんだろう」
「いったん子どもたちと避難所まで行ったとして、子どもたちを親御さんに引き渡すまでにどのくらいかかるだろう。スタッフにも自分にも、子どもがいる…。目の前の子ども達も我が子も心配…」
療育をしているcocoroneやcohakuでは、普段から月1回防災訓練をしています。「地震が起こったら机の下に入って、避難所まで皆で行く」など、ひと通りはしていますが、実際に揺れはしないし、スタッフもそろっての実施。でも、地震はタイミングをこちらに合わせてくれるわけではありません。
今回、これまでよりもかなり具体的に想定してみて、考えたり決めたりしないといけないことがまだまだたくさんあることに気がつきました。年始のミーティングでさっそくスタッフとも共有。cotonariの組織内には「防災委員会」があるため、今年はそこを中心に、災害への備えと対応をよりしっかりとしたものにしていこうと考えています。
■小さな「安心」を普段から積み重ねておく
子どもたちはお正月明け、4日からcocoroneやcohakuにやって来ました。普段と変わった様子も無く、震災から不安になってしまったり、落ち着かなかったりということもなくてホッとしました。
頭の中ではいろいろなことを考えながらも、1月中旬に今年1度目の防災訓練を実施。地震のことがまだよく分からない子もいますが、防災アラームが鳴ると机の下にもぐるのは、皆しっかり身についています。やはりこの辺りは、学校などでも何度もやっているからこそだと感じました。
障がいをもった子は、災害時も難しいことが多いです。不安が大きいほど、奇声を発してしまったり、自分を叩いてしまったりという行動も増えることがあるので、避難所でほかの人たちと一緒に生活するのも容易ではありません。
そんな子どもたちのために、できることは何だろう? そう考えると大切になってくるのは「普段の暮らし」。その中で小さな「安心」をどれだけ用意しておけるかではないかと思います。先への見通しがもてないと「不安」が大きくなり、パニックにもなりやすい。だから、見通せることを普段から増やしておくのです。
例えば
・非常食を食べてみて、その子の口に合うものを確保しておく
・偏食の子も多いので、大好きなお菓子も非常時用に備えておく
・決まったトイレでしか用を足せない子もいるので、簡易トイレにも慣れさせておく
など。子どもが「これを持っていると安心」となる、おもちゃや身の回り品をちゃんと知っておくことも大事です。
また、地震体験車に乗って揺れるのを感じてみたり、煙体験ハウスに入ってみたりも良いですね。一度でも経験していることが、災害時に不安を減らしてくれるはずです。cocoroneでもこうした施設に出掛けたことはありますが、地域の防災訓練などで体験できることもあります。
■災害時に向けて地域とのつながりを
今回、地震が起きた時を想定してみてこれまで以上に痛感したのは「地域のいろいろな人たちとつながることの大切さ」でした。
例えば子どもの送迎時でスタッフが少ししか残っていないとします。避難が必要となった時に、大人と手をつないで歩ける子ばかりではありません。体が不自由で2人以上の手が要る子もいます。そのタイミングで地震が起こってしまった時に、周りの方に手を差し伸べてもらえたらどれほどありがたいか。
また、cotonariの中で災害時の対応をルール化していこうと考えた時にも、公的機関や周りの企業、組織が災害時にどう動くのかを知っていれば、より適切な対応をルール化していけます。例えば地域には「福祉避難所」という場所がありますが、知立にはどこにあって、どうしたら災害時にスムーズに利用できるのか、いろいろな人と関係をつくりながら知っていくことが必要です。防災についての知識も、専門性の高い人からもっと学びたいと思っています。
私たちの組織や子どもたちの様子も、普段の暮らしの中で触れてもらえる機会が増えると、災害時のお互いの不安も減るのではと思います。ただでさえ不安に覆われがちな避難生活で、その不安を刺激してしまうのでなく、一緒に暖かい輪が作れたら…と願わずにはいられません。
そのためには日々の中で彼らの行動に触れ「こういうのもアリだよね」「きっと何か理由があるんだろうね」と見守っていただけるような関係づくりを、地域の方としていけたら…。このブログやお便り(cotonari便り/地域や学校にお渡ししています)でも、頑張って子どもたちのことを発信していきますね。
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災害は予測のできない非日常ですが、普段の暮らしの中での心がけや準備、関係づくりが非日常の中に日常を連れてきてくれます。小さい安心を積み重ねて、大きな不安の雲を少しでも払いのけられるよう、今年は活動を進めていきます。もし同じように必要性を感じて、つながりたいと思ってくださる方がいらっしゃいましたら、ぜひお声掛けいただけると嬉しいです!