2024.03.30
cotonari通信 Vol.6(2024.03)
■小学校卒業に、思いもひとしお
こんにちは!cotonari代表理事の佐藤槙子です。
桜の美しい季節になりました。春は卒業式に入学式、進学進級を迎える子どもたちとともに、cotonariも忙しい毎日です。そんな中でも今年は、私たちにとって思い出深い春になりました。
cotonariを設立したのが2017年2月。保育園や幼稚園の頃からcocoroneの療育に来てくれて、小学1年生から6年生までをずっと見守ってきた子どもたちの卒業は、今年が初めてなのです。6年の間に、みんな身長もすごく伸びました。放課後や長期休暇、cocoroneにやってきて一緒に過ごし、いろ~んな遊びをしたことが思い出されます。
ここに初めて来た保育園年長の頃は、イエスかノーで自分の意志を伝えていたA君。今では過去にあったことを「思い出」として語れるまでになりました。順番待ちが苦手で順番待ちの場面ではいつもソワソワしていたB君は、順番を譲れるように。嫌なことがあった時に手が出てしまうC君は、手が出てしまった理由やどうするべきだったのかを自分で話せるようになりました。
そばにいて、すごく成長を感じた日も、今日は調子が悪そうだなと思う日もありました。そんな毎日を繰り返して、小学校卒業というひと区切りを迎えたわけです。みんな、卒業おめでとう!
そして私が一番ねぎらいたいのは、親御さんたちです。毎日毎日、子どもの周りではいろんなことが起こります。6年の間には、すごく喜べたこともあれば、ひどく傷ついた日もあっただろうと思います。時には子どもと向き合うことに疲れたり、世間と子どもの間で辛い思いをされたり、ご自身の在り方に悩まれたり…。
この節目を迎えられたことを、お母さんお父さんの勲章として、お祝いしたい気持ちです。「おめでとう」でもあり「お疲れ様」でもあります。その毎日に、少しでもcocorone・cohakuという場がお役に立てていたなら、私たちも嬉しいです。
■成長の土台は、やっぱり「安心感」
さて小学校卒業を迎えた子のひとり、Dちゃん。小学校の途中からcohakuを利用し始め、問題と言われていた行為が、最近ぐんと減ってきました。
Dちゃんが問題と言われていた行為をするのには、いくつかの理由がありました。体の感覚としてつい出てしまう時もあれば、嫌なことがあった時の表現として行うことも。
私たちはできるだけ、共感しながらの声掛けを心がけました。「今、嫌だったんだね」「一緒にお片付けしようか」。少なくとも「あなたを分かりたい」という気持ちを伝えたいという思いで。Dちゃんがやりたかったけど出来なかったんだろうな、と感じたことがあれば、違う形で出来る方法を考えたりもしました。
そんな試行錯誤や、親御さんとお話をする日々を繰り返して、今。Dちゃんの感情の表現の仕方が変わってきたように思います。cohakuにいる間、問題と言われる行為が出ない日も増えてきました。そして先日はなんと、一緒に遊んでいるうちにスタッフの膝枕で昼寝をしたんです!
家でもない場所で昼寝をするというのは、安心感がなければできません。「ここは自分にとって安心できる場所」とDちゃんが感じているんだと思うと嬉しいです。やはり「安心感」こそが、子どもたちの成長につながる、一番大事な土台だと感じています。
■入学式の不安を減らすためにできること
3月から4月のこの時期は、1年の中でも一番不安が大きくなる時期かもしれません。そんな時こそご家庭でも「子どもが安心してゆったり過ごせる」ことを大切にしていただきたいなと思います。
進学、進級で、通う先やクラスが変わるというのは、子どもたちにとっても大きなストレスです。いつもと違う毎日に子どもたちの気持ちは不安定になります。
それを回避するためにできる1つの手段が「予習」です。特に、今年小学校入学を迎えるご家庭にお勧めしているのは「入学式のシミュレーション」をしておくこと。新しいことやいつもと違うことが不安な子にとって、入学式をそつなく終えるのは、なかなかハードルが高いものです。
事前に小学校に連絡し、おそらく前日には体育館が入学式仕様になっていると思うので、見学させてもらい、当日どのように進行するのかを教えてもらっておくと、子どもたちの安心が一つ増えます。またその時に、できれば先生ともお話をし、例えば「大きな音が苦手です」など、本人が苦手なことを伝えておけると良いですね。学校が始まってからは、連絡帳などを活用し、先生と日々コミュニケーションをとっていかれることをお勧めします。
中学生の場合、小学校の生活と大きく変わることの1つが「制服を着る」ことです。
「首回りがキツイ」「動きづらい」「自分の心地よい服が着られない」などの理由で、cohakuに到着するとすぐに制服から自分の服に着替える子が多いです。人それぞれですが、制服が窮屈に感じているようです。
春は不安・緊張の季節でもありますが、暖かくなり、花が咲き、新しいことにワクワクできる季節でもあります。親御さんも春を楽しみながら、新しい環境に焦らず、ゆったり、子どもたちと過ごしていただけると嬉しいです。
それではまた、次回ブログをお楽しみに。
こんにちは!cotonari代表理事の佐藤槙子です。
桜の美しい季節になりました。春は卒業式に入学式、進学進級を迎える子どもたちとともに、cotonariも忙しい毎日です。そんな中でも今年は、私たちにとって思い出深い春になりました。
cotonariを設立したのが2017年2月。保育園や幼稚園の頃からcocoroneの療育に来てくれて、小学1年生から6年生までをずっと見守ってきた子どもたちの卒業は、今年が初めてなのです。6年の間に、みんな身長もすごく伸びました。放課後や長期休暇、cocoroneにやってきて一緒に過ごし、いろ~んな遊びをしたことが思い出されます。
ここに初めて来た保育園年長の頃は、イエスかノーで自分の意志を伝えていたA君。今では過去にあったことを「思い出」として語れるまでになりました。順番待ちが苦手で順番待ちの場面ではいつもソワソワしていたB君は、順番を譲れるように。嫌なことがあった時に手が出てしまうC君は、手が出てしまった理由やどうするべきだったのかを自分で話せるようになりました。
そばにいて、すごく成長を感じた日も、今日は調子が悪そうだなと思う日もありました。そんな毎日を繰り返して、小学校卒業というひと区切りを迎えたわけです。みんな、卒業おめでとう!
そして私が一番ねぎらいたいのは、親御さんたちです。毎日毎日、子どもの周りではいろんなことが起こります。6年の間には、すごく喜べたこともあれば、ひどく傷ついた日もあっただろうと思います。時には子どもと向き合うことに疲れたり、世間と子どもの間で辛い思いをされたり、ご自身の在り方に悩まれたり…。
この節目を迎えられたことを、お母さんお父さんの勲章として、お祝いしたい気持ちです。「おめでとう」でもあり「お疲れ様」でもあります。その毎日に、少しでもcocorone・cohakuという場がお役に立てていたなら、私たちも嬉しいです。
■成長の土台は、やっぱり「安心感」
さて小学校卒業を迎えた子のひとり、Dちゃん。小学校の途中からcohakuを利用し始め、問題と言われていた行為が、最近ぐんと減ってきました。
Dちゃんが問題と言われていた行為をするのには、いくつかの理由がありました。体の感覚としてつい出てしまう時もあれば、嫌なことがあった時の表現として行うことも。
私たちはできるだけ、共感しながらの声掛けを心がけました。「今、嫌だったんだね」「一緒にお片付けしようか」。少なくとも「あなたを分かりたい」という気持ちを伝えたいという思いで。Dちゃんがやりたかったけど出来なかったんだろうな、と感じたことがあれば、違う形で出来る方法を考えたりもしました。
そんな試行錯誤や、親御さんとお話をする日々を繰り返して、今。Dちゃんの感情の表現の仕方が変わってきたように思います。cohakuにいる間、問題と言われる行為が出ない日も増えてきました。そして先日はなんと、一緒に遊んでいるうちにスタッフの膝枕で昼寝をしたんです!
家でもない場所で昼寝をするというのは、安心感がなければできません。「ここは自分にとって安心できる場所」とDちゃんが感じているんだと思うと嬉しいです。やはり「安心感」こそが、子どもたちの成長につながる、一番大事な土台だと感じています。
■入学式の不安を減らすためにできること
3月から4月のこの時期は、1年の中でも一番不安が大きくなる時期かもしれません。そんな時こそご家庭でも「子どもが安心してゆったり過ごせる」ことを大切にしていただきたいなと思います。
進学、進級で、通う先やクラスが変わるというのは、子どもたちにとっても大きなストレスです。いつもと違う毎日に子どもたちの気持ちは不安定になります。
それを回避するためにできる1つの手段が「予習」です。特に、今年小学校入学を迎えるご家庭にお勧めしているのは「入学式のシミュレーション」をしておくこと。新しいことやいつもと違うことが不安な子にとって、入学式をそつなく終えるのは、なかなかハードルが高いものです。
事前に小学校に連絡し、おそらく前日には体育館が入学式仕様になっていると思うので、見学させてもらい、当日どのように進行するのかを教えてもらっておくと、子どもたちの安心が一つ増えます。またその時に、できれば先生ともお話をし、例えば「大きな音が苦手です」など、本人が苦手なことを伝えておけると良いですね。学校が始まってからは、連絡帳などを活用し、先生と日々コミュニケーションをとっていかれることをお勧めします。
中学生の場合、小学校の生活と大きく変わることの1つが「制服を着る」ことです。
「首回りがキツイ」「動きづらい」「自分の心地よい服が着られない」などの理由で、cohakuに到着するとすぐに制服から自分の服に着替える子が多いです。人それぞれですが、制服が窮屈に感じているようです。
春は不安・緊張の季節でもありますが、暖かくなり、花が咲き、新しいことにワクワクできる季節でもあります。親御さんも春を楽しみながら、新しい環境に焦らず、ゆったり、子どもたちと過ごしていただけると嬉しいです。
それではまた、次回ブログをお楽しみに。